HSPで、未経験×事務で働ける?経験した事務の職種の違いも書きます
※本ページはプロモーションが含まれています
HSPだけど未経験から事務職で働けるかな?
事務なら人付き合いないし、何とかなるかな?
事務っていろんな種類があるけれど、どれがいいんだろう。
そんな疑問に、正社員事務を6年経験したHSPの私の目線からお伝えします。
結論から言うと、次の5つです。
- HSP×未経験×事務職でも働ける
- 条件が大切なため、絞り込むと数はあまり多くない
- 事務は事務でも、職種によって全然違う
- 働く際にも注意点がある
- まったくコミュニケーションをとらなくてよい仕事を探している方にはおすすめしない
HSPに向いている事務はあります。ただし、選ぶ時の条件と働く際の注意点があります。
また絞り込んでいくと、正直なところ数はあまり多くありません(これが「向いていない」とも言われる原因だと感じています)。
条件と注意点を、次の項目からお伝えしていきますね。
HSPに向いている事務はあります。ただし、選ぶ時の条件と働く際の注意点があります。
条件
一般事務・役所または大企業・派遣
自分が落ち着いて働ける環境
注意点
ハードルを下げる
出来ないを伝える・助けを求める練習をする
※まったくコミュニケーションをとらなくてよい仕事を探している方にはおすすめしません
※楽かどうかについて。体力的には楽です。仕事内容はレベルによりさまざま
です。
一番大切なのは「自分に向いているか」です。「HSPに向いているか」はあくまで判断基準の1つです。HSPに向いている事務職はたしかにあります。この記事で「できそうかも」「他を探した方がよさそう」などの感覚をつかんでみてくださいね。
私は不動産業界での正社員事務を、6年経験しました。未経験で入社し、最後はチーフ役をつとめました。今は退職しています。理由は、HSPに合わない条件を選んでしまいストレスで疲弊したうえ、パワハラとモラハラで心を壊したからです。
身をもって理解したことがあります。事務はとても幅広くて、その中にも向き不向きがあること。同じ仕事をしていても、まわりの環境が合わないととてもストレスになること。条件さえ合えば、HSPに事務は向いていることです。
退職にいたった経験から、「もしもまた事務で働くなら、絶対にこう選ぼう!」という目線をもっています。
HSPに向いている事務はありますので、あきらめないで大丈夫です。選ぶ時の条件と働く際の注意点を紹介していきます。
条件① ~HSPさんが事務を選ぶ時の条件~
一般事務・役所または大企業・派遣がおすすめ
理由は、次の3つの条件がそろっている可能性が高いからです。
・最もプレッシャーが少ない
・担当する仕事範囲が限定されている
・相談先がある
私の配属された部署は、総務・労務・庶務・経理・人事など幅広く担当していました。またときおり店舗に行き、営業事務兼受付のヘルプもしていました。その全ての業務にかかわりました。
一般事務・派遣はプレッシャーが少なかった
さきほどあげた仕事を経験した中で、一番プレッシャーが少なかったのは一般事務でした。
また、事務ではありませんが派遣として働いたことがあります。正社員より責任が明らかに軽かったので、プレッシャーが少なかったです。
仕事範囲が限定されていないとストレスになる
広く深くを担当したことは本当にストレスでした。1つ1つなら大丈夫でも、すべてがミックスされると頭の切り替えが頻繁に必要で、とても疲れたのです。まるでお昼時の混雑した飲食店を、1人できりもりしているような感覚でした。
マルチタスクが苦手なHSPは、幅広い仕事より1つの仕事に絞ったほうが働きやすいです。事務だからといって、あれもこれもと任される職場は向いていません。
大前提として、事務は会社の「サポート役」です。なので本来の業務以外のことも少なからずあると考えてください。「なんでも屋」になることもあります。ただ、それが行き過ぎて「ただの便利屋」になると、私にとって非常にストレスだった経験があります。違いは「誰かが楽をしたいから」「適任者が他にいるけれど、頼みやすいから」「担当や部署の垣根を越えて」などの理由で仕事が回されることです。
会社全体に内勤事務は便利屋という風潮があり、上司も憤りつつ半ばあきらめていたようです。上司がいない時をわざわざ見計らってくる人もいました。社内を1人で移動するたびにあちこちで雑務をたのまれ、なかなか自席に戻ってこられないことも。自然といつもマルチタスク状態で、自分のペースも乱れ、仕事も進みませんでした。
真面目で断るのが得意ではないHSPさんには、苦痛なことが簡単に想像できますよね。
その点、大企業はしっかりと仕事が分担されている可能性が高いです。派遣の業務内容はあらかじめ契約で決められます。安心ですよね。
相談先があると安心
相談先がないと、自分一人で抱えこんで自滅してしまうからです。私がそうでした。
勤めた会社には、相談窓口も担当もありませんでした。かわりに社内でトラブルがあったとき、上層部から処理を任されていたのは、私の上司でした。その上司から、私はパワハラとモラハラを受けていました。上司はパワハラ・モラハラ気質だったようで、私以外の人がターゲットな時期もありました。上司は社歴がとても長く(いわゆるお局の位置)ターゲットにされた人は、全員から腫れもの扱いで、軽く扱われるようになるのが常でした。
もしも相談するとしたら、直接社長や副社長以外にいない状態でした。そんな時、中立の立場で見てくれる相談窓口があればどんなに良いかと思ったものです。
大企業なら、会社の相談窓口を設けているところ多いです。派遣なら、派遣元に相談できます。いざという時だけでなく、気軽に相談できる先があるのはとても心強いですね。
そんなに限定してしまって、見つかるかな…という不安、ありますよね。大丈夫です。大企業じゃなきゃ、派遣じゃなく、と絞りすぎず、これらのポイントがたくさん含まれている職場ならHSPさんはとても働きやすいですよ。
これらの理由から、一般事務・役所または大企業・派遣(またはそれに近いところ)がおすすめです。
条件② 自分が落ち着いて働ける環境
理由は、HSPさんは「たとえ何もしていなくても、合わない環境にいるだけでストレスを感 じてしまう」気質があるからです。どんな仕事をするかも大切ですし「どんな環境におかれ るか」も同じくらい大切に考えてください。
人間関係が良い
人間関係の悪い職場…HSPには耐えがたいですよね。私は上司がお局でターゲットにされて散々でした。仕事の成果を横取りされたこともありとてもみじめな気持ちになりました。中小企業はお互いの仲が深く(閉鎖的)、大企業は薄く広くな傾向にあります。
電話はほどほど
電話は集中を途切れさせるので、HSPさんの「深く集中できる強み」が活かしきれないからです。自分のペースも乱されます。
また電話の相手は取引先がほとんど、という職場はとても気が楽です。
以前の職場では電話が鳴りっぱなしで、あきらかに受電に対する手が足りていませんでした。外からの電話だけでなく、社内からの問い合わせや備品発注などさまざま。
電話を置いて引継ぎメモを書いている間にまた電話、の繰り返しで自分の仕事が何度も中断されてストレスでした。もう一度深く集中したくてもすぐに中断され、とてもやりにくかったのを覚えています。理不尽なクレーム電話にあたることもあり、翌日まで気持ちを引きずるなんてことも。
事務で電話対応がない会社はレアですので、最低限の受け答えはマスターしておくのがおすすめです。
来客対応は時々
電話と同じで、集中が途切れるからと、ペースが乱れるからです。
勤めていた会社の建物は、オフィスと来客室が階をまたぐほど離れていました。そのため離籍時間が長く、仕事の手が長時間とまってしまうのがストレスでした。また仕事に戻っても、イチから集中しなおさなければならず、エネルギーを消耗していたと感じます。
やることはたくさんあります。部屋押さえのブッキングが起こらないよう管理、冷暖房、お茶の準備、お客様の案内、部屋にお通ししたことを担当者に伝えて、お茶出し。終わったら備品のチェックと清掃と片付けです。午前に2組、午後から3組、さらに面接3人などが毎日のようでした。アポなしの来客もめずらしくなく、仕事が進まないのが悩みでした。
夏は朝にやかんで麦茶を作って冷やしておきます。たりなくなれば日中でも作ります。冬になるとコーヒーをだします。給湯室で豆を挽いて、コーヒーメーカーでいれます。ソーサー・カップ・スプーンも熱湯で温めて、牛乳はレンジでチンなど、かなり丁寧に求められました。冷暖房やコーヒーなどは、来客の15分前には準備がいります。来客の多い日は時間管理が多く、頭の中がつねにマルチタスク状態でした。
来客数に対して、対応する側の人数が多ければ多少はましです。ですが気が付きやすいHSPさんは、つい引き受けがちなので、やはりそもそもの来客が少ない方がベストです。
オフィスが静かで落ち着いている
ガヤガヤと活気に満ちた環境より、落ち着いた環境が集中できるからです。シーンとしすぎて自分の発言が全員に響いてしまうのも緊張しますので、ほどほどにが良いですね。
私の近くの席に、いつもおしゃべりをしている役員がいました。急に同意を求められたり話をふられたりするので、まったく聞かないわけにもいかず、集中がプツプツと途切れる感覚を覚えています。
何人かが大声で笑いあっている近くで、数字を使うような細かい作業は、とても頭が痛くなりました。
静かさのレベルも色々ですが、自分が落ち着けるレベルかどうかが大切です。
オフィスがお客様から見えない
店舗の事務はやりにくかったです。店舗の隅ではありましたが、お客様用カウンターの目線の正面が事務員の席でした。敏感さが裏目に出て、視線を感じると「何か聞きたいことがあるのかな?声をかけたがっているのでは?」などと考えてしまい、いつも気を張ってグッタリでした。お客様から見えないオフィスがいいですね。
忙しすぎない
忙しいとマルチタスクになりやすく、焦りがでるからです。また頑張りすぎるHSPさんが仕事を抱え込んでしまう原因にもなるからです。
私のスケジュールは余白がほとんどないどころか、毎日定時を過ぎても予定がありました。締め切りから逆算すると、そうしないと終わらないからです。会社全体がそういった風潮でしたので、上司に伝えても変わりませんでした。(上司に嫌われていたのもあります)
電話やアポなし来客、急な頼み事などで、どんどんスケジュールは押していきます。毎日フルスピードで仕事をしても、サービス早出・サービス残業で乗り切るしかなく、心も体もグッタリでした。
大前提をお話ししします。事務は複数の作業を同時に進めていくことになります。締め切りに合わせて優先順位を立て、要領よくこなすのが仕事です。なれれば自分のペースができ、ルーチン化もできます。
しかしそもそもの業務量が多すぎると、どうやっても無理なペースで仕事を求められることになります。中小企業は働く人数も少ないので、一人あたりの仕事量が多くなる傾向にあります。どんな企業にも繁忙期があるので、その様子をあらかじめ聞いておくとよいですね。
教育係がいる
質問できる相手がいると安心しますね。人に頼むのが苦手な私は「この人にきいて迷惑じゃないだろうか」「忙しそうだけど今きいて大丈夫かな」とグルグルし、時間ばかりがすぎていくことがありました。
教育係がいないと、知るきっかけがないと最低限のことも知らないまま、なんてこともあります。こんな経験がありました。
・本来経費で落ちることに気が付かないまま、ずっと自腹を切っていた
・周りも忙しいため、聞かれるのが嫌で、不親切な対応しかしない。酷いと「私に聞かないで、ほかの人に聞いて」とたらい回し
・なんでも失敗してからでないと教えてもらえず、自信を失ってしまう
仕事はもちろんですが、会社独自のやり方に関しても、教育係がいると安心ですね。
マニュアルが整備されている
自分に自信のないHSPは、マニュアルという確かなものがあると安心です。
マニュアルがあっても要注意なのはこんな職場です。
・マニュアルはあっても使わない
・マニュアルが古すぎる
・人によって解釈が違う
私が今までに言われてストレスを感じた言葉は
・マニュアルはあるけど、臨機応変にね!
・マニュアルのここに書いてあるじゃない
・いつでもマニュアル通りが正解じゃないのよ
です。確かにその通りなのですが、突然責められるようにこの言葉を使われると心がギュッとなりました。
マニュアルが整備されており、いつでも質問できる環境が望ましいですね。
事務職の大切さをわかっている人がいる
事務への待遇が天と地ほどにかわるからです。
以前の職場は、営業職あがりの人が上層部を占めていて、事務職が軽んじられる風潮にありました。また営業に光が浴び、事務職がないがしろにされる会社だと、営業からの書類の不備が是正されず、不備をカバーする事務が忙しくなります。何度お願いしてもお客様のサインがない、チェック欄が空白、提出締め切りを守られない、出していないのに出したといわれてオフィス内を探す..などです。
「営業は数字さえ上げれば、事務処理はめちゃくちゃでもかまわない」と新入社員研修で発言した上層部の人がいてゾッとしました。会社全体を見れば、決してそれが最良とは思えません。また経験上、事務を軽んじる会社は、事務は人が辞めても補充されない傾向にあります。営業はお金を取ってくる役割なので多ければ多いほどよく、事務はなるべく少ない人数でもまわればよいからです。
事務職の大切さをわかっている人がいれば、このような営業VS事務の対立時に、冷静な判断が下されます。
自分以外にも担当者がいる
別の会社での体験談になりますが、プレッシャーが全く変わります。まず全責任を自分が負うという重圧です。わからなくても頼れる人もいません。
会社に私しか担当がいなかったため、休みの日や退勤後でも会社からの問い合わせに追われていた経験があります。お客様に説明するメールの文章を代わりに作ってほしい、直接電話をかけて説明してほしいなどもあり、プライベートの時間なのにまったく休まらず、スマホの着信音がもはや恐怖でした。(そもそも違法ですが…)変わってもらって当たり前ではありませんが、お互い様の精神で、フォローしあえる仲間がいるのが良いですね。
「退職者がでるから、代わりの人材を探している」ケースは要注意です。もともと担当者が1人しかいない場合は、前任の退職後は自分しか担当がいなくなります。業務拡大のためと募集して、実際は退職のため代わりを、というケースにあたったことがあります。
そこではマニュアルもなく、データも整理されていませんでした。パスワードすら不明なこともあり、未経験で入社した私にはハードルが高く、上司や周りの誰に聞いてもわからないから自分で調べてと返されて、とても困ったことがあります。たとえもう1人担当がいたなら、お互いの知識を合わせて乗り越えられたかもしれません。
休憩時間と仕事時間がハッキリしている
ぐっと集中して疲れやすいHSPさんには、休憩はとても大切です。午後からのパフォーマンスに影響しますね。
自席で昼休憩をする人が多い会社は、休憩時間と仕事時間があいまいになりがちです。それをうまく利用してさぼっている人も見てきましたが、真面目なHSPさんは電話対応やほかの人から仕事を振られ、休憩になりません。
休憩室完備とあっても、自席で休憩をとる割合が多い職場は要注意ですね。
休憩時間に外出禁止
つとめた会社は「いつでも電話や来客に対応できる待機のため、外に出ての休憩NG」でした。一人になりたいときになれないのはキツイですね。仕事のスイッチをオフにしたいです。
そもそも、これは労働基準法違反です。厚生労働省のサイトにこのように書かれています。
Q
私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする昼当番が月に2~3回ありますが、このような場合は勤務時間に含まれるのでしょうか?
A
まず“休憩時間”について説明します。休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。従って、待機時間等のいわゆる手待時間は休憩に含まれません。ご質問にある昼休み中の電話や来客対応は明らかに業務とみなされますので、勤務時間に含まれます。従って、昼当番で昼休みが費やされてしまった場合、会社は別途休憩を与えなければなりません。
ただ未だに休憩時間にも待機を求める会社もありますので、入社前に確認しておくのが良いですね。
役割分担がされている
気を遣いすぎるHSPは、つい自分が抱え込んで苦しくなります。またハッキリ断りにくいので、イレギュラーなお願いを多く押し付けられます。たいてい面倒で、ルーチン化できないものです。
人間関係が悪いと、HSPにだけ仕事が偏ることにもなります。役割分担がきっちりされている大企業か派遣がいいですね。
個人の裁量が求められる
自分に自信がもてないHSPさんには、自分の判断にも自信が持てません。なのであれこれ調べて考えて、時間ばかりかかってしまいます。そういったことは得意な方にお任せしたいものです。
私が言われてストレスになったのは「任せるからそちらで進めておいて」と言われ、相談しても「任せているんだから最後までやって」と質問ができなかったときです。失敗しても上司はかばってくれません。
もちろん、経験をかさねて自分でも自信がついた分野に対してはチャレンジも大切です。ただ、慣れておらずまだわからないと答えても「任せる」という言葉だけでフォローがないとどうしたらよいかわからず、立ち止まってしまいますよね。
部署異動が可能か
退職前の逃げ場をあらかじめ想定しておくと、気が楽です。思ったよりも仕事が合わない、人間関係がうまくいかないなど、環境そのものを変えてしまいと強く思ったときに役に立ちます。
ただしワンフロアしかない・そもそも人数が少ないなど、移動しても結局あまり変わらないこともあるので要注意です。私も上司から離れたかったのですが、人数が少なかったため、どのポジションについても上司との関わりを避けられず、退職しました。
心を壊していたので、「ここをやめたら、次はないかも」「なんとしてでもここで続けなければ」という気持ちがあり、なかなか退職を決意できませんでした。風当たりがますます強くなっても、耐えるしかなく、とても辛かったです。
部署異動ができたなら、そちらでしばらく働いてみて、もう一度判断する機会をもてますよね。
入社してすぐに資格取得を強制されない
HSPにとって必要な、プライベートが削られるからです。入社してすぐは、通勤や環境の新しい刺激を受け、仕事でも覚えることが多いです。私は家に帰ってもメモをまとめて復習するので、いつも入社して1週間くらいでポコっと熱をだしていました。休んだ方がよかったですね。
不動産業界だったので、新卒の営業社員は宅建士の資格を取得するように言われていました。結果、残念ですが誰も受かりませんでした。資格より仕事を覚える方が先で、時間が取れなかったと聞きました。
仕事に慣れて、自主的に勉強した人は多く受かっていました。
資格を取るなら、仕事に慣れて余裕をもってからです。資格の取得が必須でも、取るか取らないか、取る時期を自分で選べるなら大丈夫です。
直感で感じる雰囲気がいい
HSPは直感が鋭い特徴があります。私も、あながち間違いでもない経験をしました。
以前の職場の面接のとき、「なんだか固くて窮屈」と感じました。入社して自席を案内されたときに、「なにここ、ぞっとする、入りたくない!」と思ったことがあります。日当たりのよい職場だったのに、どうしてだろうと違和感がぬぐえませんでした。一番近づきたくないと感じたのが、のちにパワハラ・モラハラをしてきた私の上司の席でした。
“肌が合わない”という言葉があります。せっかくなら、直感でいいと感じた空間に入りたいですよね。
事務の職種の違い
一般事務と言ってもイメージが湧きづらい(私がそうでした)ので、私が勤めた不動産業界の会社についてお話しします。
一般(総務・庶務・労務)
メリット
ルーチンワークが多い
マルチタスクはあるが量をコントロールできればシングルタスクに分けて進められる
基本はPCや書類相手
プレッシャーが少ない
社外とのコミュニケーションはほぼない
デメリット
雑務を任されがち
社内のコミュニケーションは多い
他に応用できる個人スキルやキャリアが身に付きにくい
席を立つことが多い
一人でできる仕事と、社内の人とコミュニケーションが必要なものがあります。
社内の人間関係が良ければ、そんなに苦労しません。
(人間関係が最悪だったので、コミュニケーションにはものすごく苦労しました。1つ1つの作業は楽でした。)
会社によってやりかたに癖があるので、他に応用できる個人スキルやキャリアは身につきいくいです。
けれど働くみんなのサポートとしての目線は、どの会社にいっても喜ばれます。HSPのサポート気質ともよく合います。事実、転職先では「そんなところにも気が付くの」と総務部の方から喜ばれました。
備品の管理清掃(加湿器や扇風機など)・自社ビルの管理清掃・勤怠管理・取引先との契約管理・備品の在庫管理と発注・倉庫整備・営業車の管理(自動車保険や車検なども)・名刺発注・郵便物の仕分け・古紙回収・社内イベントの企画と準備(入社式・社員旅行・忘年会など)・会議資料作成・会議室の準備と片付け(お茶くみ・資料作成・席札・プロジェクターやPCのセッティングなど)・休憩室の準備と清掃(お茶づくり・布巾のセットなど)・組織図、座席表、内線表の作成・携帯電話の契約と本体の管理・マニュアル整備・ファイリング・保管期限のきめられた書類の管理と破棄・制服の管理と発注・掲示ポスターの管理・社内通達事項の作成と連絡・来客と電話対応(主に取引先)、社会保険の手続き、名札・社員証・名前入りのゴム印や日付印などの作成と配布・社内の植木の世話・年末のカレンダー交換など
コミュニケーション
上司や先輩への報告連絡相談
社内の人への提出物の催促(締め切り過ぎても出ていないなど)
社内の人への不備の確認と訂正依頼(印鑑漏れなど)
慣れてくると、どの時間なら聞きやすいかが見えてきます。
これはHSPさんの強みですね。相手の機嫌に意識を向けることができるからです。
※行き過ぎると、びくびくして声をかけられなくなります。
苦手は人には、メモやメールを使っていました。
直接聞きたいときは、○について確認したいことがありますので、○時頃にお伺いいたします・お手すきの時に内線をいただけますでしょうか、などとメモを残しておきます。
メモに自分の内線番号を書いておけば、内線で返事をしてくれたり、今大丈夫だから来て、今日は出てしまうから明日にしてなど何らかのアクションがあり、進めやすくなりますよ。
ランチの後はお願いを引き受けてもらいやすい=お腹がすいている時にお願いをすると、断られる可能性があがる
(「Proceedings of the National Academy of Sciences」という科学専門誌に掲載された論文(2010年))
会議の日はピリピリしているので避けたりしていました。
例えば、座席表と内線表を作るときは、実際に席を見に行きます。もちろん全員座っているわけではないので「ここは今はどなたのお席でしたか?」と聞くなど。
忙しそうにしていれば折をみて改めて見に行きます。といっても暇そうにしている時間はないので、今ならっというときに、聞きに行きます。
経理事務
※簿記の資格はもっていないので、補助的な仕事のみ経験しました。
メリット
ルーチンワークが多い
マルチタスクはあるが量をコントロールできればシングルタスクに分けて進められる
基本はPCや書類相手
社外とのコミュニケーションはあるが、ほぼ取引先
デメリット
お金を扱うというプレッシャー
資格がなければ基本から覚える必要がある
取引先への支払い・給与関係・納税・決算書類や台帳作成・売上金管理・経費の管理・銀行口座管理・金庫室の管理・源泉徴収・銀行への伝票と現金の持参・ATMでの振り込みなど
お金を扱うプレッシャーがストレスでした。HSPは責任感が強いので、大きな負担になると実感しました。間違えると会社の信用にかかわるので、取り返しのつかないことになるのでは、という不安がいつもあり、怖くて仕方がなかったです。億単位の大きな金額を扱うことも。たとえ小さな金額でも、振込相手や金額の間違いがあってはいけないと何度も見直していました。確かに、何度も見直してミスなくできるのはHSPに合っているけれど、息が詰まるようなストレスでした。
二重三重のチェック体制がとられていたら、プレッシャーが半減したかもしれません。そのような職場なら働きやすいですね。経理未経験だったので、専門用語になかなかなれなかったのも、苦手意識の1つでした。
人事事務
※採用担当者のサポート(求人、面接、採用時の事務)のみ経験しました
中心の仕事はしていないので判断できませんが
社員の配属先や人事異動を担当するには、会社のことも働く人のこともをよく知ってからできることなので、未経験から目指すにはハードルが高いと考えています
営業事務
※複数の営業のサポートを1人でする体制でした
メリット
人の役に立てていると実感できる
目の前の営業担当とのやりとりで仕事をするため、ほかのどの職種より「ありがとう!」と言われることが多かったです
デメリット
お客様とのコミュニケーションがある(主に営業がいないときや、お茶出しなど)
営業ペースに合わせるため、自分のペースで動けない
突発的な仕事が多い
営業とお客様間で取り交わされるあらゆる書類の確認不備訂正(主な業務)・営業が使用した経費をまとめる(経理に提出するため、レシートを回収して簡単な一覧を作成)・外注業者への発注と管理・店舗内の掲示物の作成管理・店舗内の備品管理・清掃・来客と電話対応(主にお客様相手)・店長や営業の報告書作成補助・そのほか店舗内の掃除などの雑務全て…など。
場所は店舗内のデスクで、お客様から見える場所。営業の指示で、スピーディーな対応が求められる。自分の手は止めて、最優先で動く。営業が来客対応をスムーズにこなすためのバックアップ。「営業車を前まで回しておいて」「帰ってくるまでに○○を済ませておいて」「○時にお客様が来ることになったからそれまでに契約書類一式揃えておいて」「会議で配布されたデータを全員に流しておいて」など。隙間の時間で、自分の事務作業を行う。
事務作業は丸投げな営業担当に当たると大変。空欄・ミスだらけの書類の指摘やお願いが言い出しにくい。接客・来客で忙しそうにしているから特に。
体験談・営業の中には「売上さえあげれば、事務処理は一切しなくていい」と考えている人がいた。全て事務員に丸投げ。売上があるので、誰も強く言えない。そんな人の元につくと大変です。
受付(営業事務の一環として担当)
メリット
相手の感情に気づきやすいHSPはこまやかな気配りと機転が利かせる
ある程度パターンが決まっている
デメリット
初対面の人とのコミュニケーションに緊張
いつ何が起こるか(言われるか)わからない不安
とにかく緊張しました。何人もの初対面のお客様と話すから。目の前で待たせるため「早くしなければ」と焦る。時にクレームの窓口にもなる。常連さんや出入り業者の中には、顔を見てわかってほしい人もいるからうかつに聞けない。「俺や。あいつ呼んでや」みたいなのが怖かった。(人の顔を覚えられないタイプ。覚えていたとしても、間違ったら失礼だなというプレッシャー)HSPの強みの「人の機嫌や気持ちがわかる」が裏目に出ました。初対面の人の数少ない言葉や仕草から読み取ろうと、無意識のうちに必死になり、それが1日中なのでもうクタクタになりました。
アポあり、アポなしでの来客と、社内の人との取次、来客対応担当者への連絡。入店のお客様にお声がけし、目的を聞いて担当者につなぐ。担当者がいなければお待ちいただく。そのお茶出し。
★賃貸専門部門は独立部署があり関わりませんでした。外から見ていて、HSPには合わないように感じました。理由はプレッシャーとコミュニケーションの多さです。家賃トラブルは家主と会社の信用にかかわりますし、入居者トラブルやクレームの窓口、家主の無茶な要求も無下にできないなどです。
注意点 ~HSPが事務で働くときの注意点~
いろいろな意味で、無理をしないこと。体も心もです。あらかじめ制限をかけて置くイメージです。事務職に限ったお話ではありませんので、どの仕事でもつかえる方法です。
頑張りのハードルを下げておく
つい頑張りすぎてしまうHSPさん。あらかじめ自覚して、意識するとよいです。
無理は続かない
無理すればできるかも、はなるべく受けない。HSPさんの思う「無理」は、とてもハードルが高いものです。一度できたら、前できたんだから次もお願いね、となりがちです。
新人研修の一環として、電話応対のレクチャー係になったことがあります。そもそも電話応対は苦手だったので、たくさん勉強をしてスキルを身に着けていました。けれど内心はいつもドキドキと緊張しています。
それでも無理をして丁寧に教えたので、好評だったのはよかったのですが、いろいろなレクチャー係に任命され、最後にはマニュアル作成を指示されるまでになりました。そもそも苦手な業務のマニュアルを作るというのは、思ったよりも大変で苦痛でした。一度やってみるのは大切ですが、やってみて無理だと感じたら「とても自分には続けられないので、どうか降ろしてください」と伝えることが大切です。
仕事を引き受けすぎない
抱え込んでも人を頼ることが苦手なHSPさんだからこそ、仕事量のコントロールは大切です。
特にHSPさんには仕事が集まりがちです。理由は以下です。
・細かいところに気が付く
・周りが頼みやすい
・断れない
頑張りすぎが平常運転とみられいつの間にか普通になり、それ以上を求められるようになります。「いつもはりみさんがやっているから、僕たちはわかりません。はりみさんに聞いてください」といつの間にか担当者にされていたことも沢山ありました。
本来の業務も自分の担当のままです。とても仕事が増え、サービス残業がひどくなっていました。
もちろん本当に必要なときは、力を発揮するのも大切です。その時は「通常業務に支障が出てきているので、次は別の方にお願いします」などアピールするのがよいですね。
対応はゆっくりでいい
相手を待たせたら悪いと思うことはありますが、自分が落ち着いてできるペースを守ることです。特に急いで!と理不尽にせかされたり、教わってメモを取るときなどです。
テキパキと、ササッと処理する人にあこがれて、無理して早く対応していましたが、いつの間にかそのスピードを常に求められるようになり、とても悲しくなりました。
まったく急がなくてよいわけではありませんが、限界までアクセルを踏み込むことはありません。いつもよりアクセルを踏み込むのは、少しだけ・短い時間だけです。無理して限界までアクセルを踏み続けていたら、私は副腎疲労という体がとても疲れた状態になりました。今では落ち着いて動くようにしています。
自分から助けを求める練習をする
無理するまえに相談する
人を頼るのが苦手なHSPさんは、ヘルプサインを出さないので、以外と大丈夫と思われているからです。少しでも無理しているなと感じたら、その原因を早めに探って対処しましょう。
私も「大丈夫です」が口グセで、いつの間にか毎日無理ばかりをしていました。自分が追い詰められていたので、落ち着いてマイペースに働いている人を見ると、恨みに近い黒い感情を抱いたこともあります。まるで嫉妬のようで、いつもイライラするようになっていました。
具体的な相談方法としては、締め切りを伸ばしてほしい、業務の振り分けを見直してほしい、誰かに手伝ってほしい、などです。大事になるとますます頼みづらいので、「今日までの締め切りの仕事を、明日の10時までお待ちいただけませんか」など、ちょっとしたことからお願いしてみると頼みやすく練習にもなりますよ。
できないことを伝える工夫をする
できないことを無理に抱えこむと、無駄な時間を使ってしまったり、ミスにつながったりするからです。
頼まれた瞬間は引き受けることでやりすごせます。けれど後々ずっと苦しむことになります。
私もギリギリまで一人で抱え込んでしまい、プライベートの時間を使って調べてもわからなくて、無理やり進めた結果、あと一歩で大事になるところだった経験があります。自己肯定感の低さが影響して、断ったら嫌われるんじゃないか、頑張ったら認めてもらえるんじゃないか、、そのような気持ちが原因でした。
全てを断ることが申し訳ないと感じるときは、自分が無理せずに手伝える範囲を伝えて提案するのがおすすめです。
「今は○○の仕事で手一杯のため、できません」+「明日の昼からの着手でしたらできますがいかがでしょうか?」
「私にスキルがない分野なので、できません」+「すべては無理ですが、一部の△△でしたらできますがスキルがなくてもお手伝いできそうです」
+の後ろがあれば、誠意が伝わりますよね。
事務の経験者としてのメリット・デメリット
メリット
・基本的に1人で作業する
・相手が人ではなくPCや書類なので気が楽
・なれれば自分なりのスケジュール・ルーティーンが組める
・体力の消耗は少ないし、ノルマもない
・自分の机やPCがあれば、許される範囲でやりやすく設定できる
だれにも邪魔されない小さな自分空間を作ることができると心がやすまります。
自分以外の人が頻繁に私のPCを使う職場にいたことがあります。その時はよくストレスを感じました。デスクトップがすぐにゴミだらけになったり、机に配置しているものが移動していたり(電話が左右逆に置かれたままの時は驚きました)、文房具がなくなったり、処理中の書類の上にバサッと書類を置かれて紛れてしまったりなど、環境をリセットするところから始めないといけないのでとてもストレスでした。
デメリット
・なかなか質問できない
・沢山の選択肢を思いつきすぎて判断に迷う
・「その会社のやりかた」に染まるので他で通用するスキルが身に付きにくい
書いていて気が付きましたが、このデメリットは、事務以外でも共通しますね。なので事務だからこそのデメリット、というわけでもありませんね。
アドバイス ~HSPさんが事務で楽に働けるように~
自分なりのルーチン化をする
事務はもともとルーチン化されていることが多いですが、「自分が楽なのはどの方法か」を考えて組んでおけば、心して仕事ができます。私も、先輩のやっていた方法が合わず、ポイントを押さえて自分なりに組み替えていました。
余白時間を確保しておく
想定外のことが起こったときに「どうしよう!」と慌てるレベルを下げられます。スケジュールを組み、余白時間を確保し、さらに見える化しておくのがおすすめです。私は実際にその余白時間で、提出前にミスを見つけてやりなおしや、急な来客などの対応をしていました。結局、本当に何もすることがない時間を過ごすことはありませんでした。余白時間が無かったら、もっと焦っていたことでしょう。
社内の人のスケジュールや気持ちの波を早めに把握する
部長は毎週火曜日に外回りで直帰する、課長は午前中はピリピリしていて午後は落ち着いてくる、などです。事務はほかの人の決済や許可をもらって仕事を進めていくことが多いので、物事を頼んだり質問しやすくする工夫は多い方がよいです。
面接と見学で入社前に判断する
私の面接の失敗談です。
色々と質問しましたが、オブラートに包まれた返答しかなく、申し訳ない気持ちから再質問ができませんでした。
早く出社することはあるか質問すると「多少机を拭いたりは、どこでもありますよね(ニッコリと目が笑ってなく圧を感じる…)」という答え。実際は1時間の早出で、掃除お茶くみなどの雑務がありました。労働時間にはカウントされなかったので、完全にサービス早出でした。
一般事務の募集でしたが、実際に配属されたのはは営業事務でした。偶然、すぐに一般事務に欠員がでたため、一般事務に異動となったのです。
残業はないと書かれていましたが、残業が常態化していた。タイムカードはありませんでした。
しっかりと質問できていれば、このズレは生じなかったはずです。
まとめ:HSP×未経験×事務でも働けるが、条件に気を付けて
条件
一般事務・役所または大企業・派遣
自分が落ち着いて働ける環境
注意点
ハードルを下げる
出来ないを伝える・助けを求める練習をする
しかしリサーチが大変だし、面接で多くの質問をするのも心苦しいですよね。
派遣なら、そんなハードルがぐっと下がります。
HSPに向いている事務はありますので、条件と注意点から、チャレンジできそうな職場を見つけてくださいね。応援しています。