育児

【体験談】桶谷式に通っての母乳育児がつらい、しんどい…もうやめたい人へ

【体験談】桶谷式に通っての母乳育児がつらい、しんどい…もうやめたい人へ
harimi

※桶谷式を否定する内容ではありません。桶谷式はとても良い技術です。私も沢山救われました。
※医学的知識はありません。気持ちの整理についての話です

桶谷式をやめたくてもやめられないと悩んでいる方へ


「体も心も限界で、桶谷式も母乳もやめたい。やめても大丈夫と分かっているのに、どうしてもやめられない」
そんな悩みのあるかたが、気持ちに整理がついて、断乳できるようにと書いていきます。

これを読んでいるあなたは、こんな状態ではないでしょうか?

授乳や完母やミルクを何度も何度も検索して、それでも辞められずに悩みながら頑張っているんだと思います。昼も夜もないような、3時間に1度の母乳。いつも時計を気にして、昼間でも1人で起きられるようたくさんアラームを設定して。出産までと思って頑張ってきた食事制限も、もっと厳しくなり…。

それでも胸にしこりはできるし、おっぱいの出は悪いし詰まるし、月に何度も桶谷式に通う(私は週1回でした)。でもここまで頑張ったんだから、最後まで頑張らないと報われない気がして…。

施術中も、あと何回ここに来るんだろう、先生に「頑張ってるけどそろそろママが限界だね、もう終わろうか」と言ってもらえないかな…。そんなことばかり考えている。お金を払って次の予約を取って家に帰ったら、次の授乳の時間を気にして30分だけ寝る…。体も心ももう限界。もう、全部やめたい。

この記事は、同じ気持ちだった私が、とある言葉に救われて桶谷式と完全母乳をやめた体験談です。

私が救われた言葉の要約

桶谷式の発祥の地でも、たくさんのママが途中でやめている
です。この言葉をもらったおかげで、気持ちがすっと楽になり、断乳することができました。詳しくは最後に書いています。順番にお話ししていきますね。

桶谷式を選んだ経緯

おっぱいトラブルの多かった知り合いに教えてもらい、退院してすぐ桶谷式に通いはじめした。おっぱいの出はよくなく、体重も成長曲線の下ぎりぎり。出をよくするため、桶谷式ではミルクを足してはいけないと教わりました。ですが産院の1か月検診ではミルクを足すように言われ戸惑ってしまいました。

そこで看護師さんから、産院と桶谷式は方針が真逆という話を聞いたのです。  
「どちらかに絞らないとブレてしまうのなら…私が決めなければ。」
白か黒かの完璧主義思考が強かった当時の私は、産後ハイもあって、桶谷式に絞ると強く決意しました。

その看護師さんは「方針が2つあって、みんな元気に育っているということはどちらも正解」とも教えてくれました。これが最後の最後、私の心を救うことになります。

桶谷式に通って母乳育児をしていた当時の状況

授乳は最低3時間に1回

桶谷式では「2時間に1回でも、3時間に1回でも、とにかく咥えさせることが大切」と教えてもらい、赤ちゃんが泣いたら授乳、泣いていなくても時間が来たら授乳、寝ていても起こして授乳していました。

毎日の授乳スケジュールは定まりませんでした。泣いたら授乳していたことで、次の授乳が3時間後にずれるからです。

1日1回だけ、こっそり哺乳瓶でミルクを足していました。万が一を考えて、私が病気で薬を飲む、入院する、など強制的にミルクになる事態を想定したからです。

食事制限

油のない質素な和食でした。すぐに詰まって出が悪いので、行くたびに食べたものを伝え、ダメなものを教えてもらいました。結果、何を食べても詰まりました。体質です。極端な真面目さが影響したのか、ダメと言われたものをひたすら除外していったので、どんどん食べてはいけないものが増えていき、本当に少しの食材しか口にすることがなくなりました。

NG食材
※私にとっての、です。母乳育児なら全員がだめという意味では書いていません。
肉(ささみや胸肉も全て)、ウインナーなどの加工肉、油の多い魚(サンマ、ホッケ、鮭など)、刺身、蠣、カニ、エビ、魚卵、芋類、穀物(麦ごはんやトウモロコシなど)、めん類、お菓子やケーキ類全て、野菜の一部(じゃがいも、トマト、キュウリなど)、果物、からいもの(キムチなど)、酢の物、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、揚げ物、中華、ゼリー、コーヒー

OK食材
魚(タラ、しらすなど淡白な白身)、イカ、野菜の一部(はくさい、たまねぎ、きのこ、ニンジン)、とうふ、こんにゃくゼリー(少し)

最終的に落ち着いた食事はこうです。タラと野菜と豆腐をゆでて、めんつゆか白だしで食べる。時々たまごを、油を使わないよにレンジで薄焼きにしてそのまま食べていました。

たまの外食にも、卵どんぶりしか食べませんでした。通っていた最後の方は、桶谷式の前日の夜だけ好きなものを少しだけ、食べていました。

毎日、食欲と戦っていました。出産前の「食べたい!」の何百倍も強かったです。そのころの写真をみると、とてもやつれています。お食い初めの写真なんて、げっそり暗い顔をしています。

もともとラーメンや揚げ物、辛いものも甘いものも大好きな私が、一気に超質素な食生活に。本当に楽しくありませんでした。

お金の悩み

1回3,500円を週に1回。もはやミルクより高いのではと計算してみて罪悪感を抱く。おっぱいが出たらこんなに掛からないのに、こんな私だから…。それでも「ミルクだって作っても飲まず捨てる時もあるし、洗浄剤だっているし」と、思い直していました。

おっぱいのトラブル

トラブルだらけでした。しこり、つまり、切れ。いつ乳腺炎になるかわからず、怖くて週1通いがやめられませんでした。もはや「通うのをやめたら乳腺炎で切開、ダメ母親に成り下がってしまう」との恐れから通うようになっていました。

自分の赤ちゃんのことより「母乳育児をつづけないと」で頭がいっぱいになっていたんです。飲まずに寝てしまうと「なんで飲まないの」と泣きながらほっぺを揺らして起こそうとする始末。罪悪感がどんどん強くなっていきました。

無理して続けて、自分を責めた母乳育児

寝過ごして母乳が出ない

体も心も疲弊した3か月ごろ。夜中に思いきり寝過ごしました(主人のみ別室で就寝)。するといつものお乳の張りがなく、ほとんど出なくなったのです。夜中じゅう咥えさせて、翌日の昼になんとか出るようになりました。思えば、このタイミングでやめればよかったです。どう頑張っても起きられないほど、体が限界だったからです。

哺乳瓶の練習をさぼりだした

こっそり続けていた哺乳瓶でしたが、体が限界になり、続けられなくなりました。主人に聞かれても「もういい…」としか答えられませんでした。続けられない自分にも、罪悪感がわきました。

哺乳瓶拒否

またやってしまいました。2回目の寝過ごしです。じわじわと少ししかでません。出ないので困って哺乳瓶でミルクを挙げたところ、哺乳瓶拒否!離乳食も始めていないのに、ここで母乳がでなければ子どもは生きられない…夜中で誰にも相談できず、泣きながら咥えさせ、自分でも必死にマッサージをしました。翌朝、茶色のオリモノらしきものが出て、絶望しました。生理が始まると母乳もとまるからです。「私が寝過ごしたからだ」と罪悪感で苦しくてたまりませんでした。

運よく翌日に桶谷を予約しており、マッサージを受け、また出るようになりました。ここでもやめ時だったなと思います。それに、いろいろな哺乳瓶の乳首を試せば大丈夫だったかもしれません。

「完全母乳しか道がなくなった」と落ち込みました。ますます、桶谷式にすがる気持ちが強くなり、やめられなくなりました。

他のママを恨めしく思うように

おっぱいトラブルのないほかのママさんの話を聞いたからです。半年前に出産した知り合いのママさんには、トラブルがなかったのです。

「しこりや痛みはないよ。何時間あけても出るから、授乳は寝る前の1回だけ。それでも出るし、子供もちゃんとのむから、そうしている。お肉もケーキも、なんでも好きにたべているよ」

私は桶谷式にまで通って頑張っているのにと、羨ましく恨めしくなりました。

離乳食はじめ

少しですが食べてくれました。3時間に1回の授乳をしているので、いつもお腹がすいてなかったのかもしれません。それでも、食べるようになれば母乳をやめるきっかけになると信じることにしました。

たくさんの人に相談して、答えにたどり着きました

何か月もかかって、記事の最初に書いた「救われた言葉」にたどり着きました。

支援センターの色々なスタッフさんに相談

「桶谷式って知ってますか..?」と恐る恐る切り出すようになりました。知らない人もいらっしゃいました。ときどき知っている方にお会いできました。それとなく相談すると、たいてい答えは2つでした。

・辛いなら辞めてもいいんじゃないかな、母乳でもミルクでも子供は育つよ。
・おっぱいが出ているなら、頑張ってあげたらどうかしら?
母乳かミルクか問題ですね。この時期がとっても長かったです。誰に相談しても、私の心はかわらずで、ただただ苦しいばかりでした。

助産院で相談

支援センターで知り合った人から、近くに助産院があることを聞いて行ってみました。「ほどほどに教えを守って、先生の前では『守ってます!』と言えばいいですよ。子どもはちゃんと育ってるし、離乳食も食べているなら大丈夫ですよ」と言って下さいました。いままでになかったアドバイスに、心が少し動きました。(小児科での検診でも、元気にそだっていると先生からも言われていました。体重は軽いですが、大丈夫ですと)

たどりついた答え(いつもと違う支援センターで相談)

私より少し年上のスタッフさんに、相談してみました。苦しくてもうやめたい、という気持ちをしっかりと伝えられました。これまで、色々な人に相談してきたのが練習になっていたようです。するとこんな風におっしゃってくださいました。

「桶谷式ね、知ってますよ。あれってとっても厳しいですよね。実は私、桶谷式発祥の地の生まれなんです。富山県。だから私も、周りの人もたくさんやって(マッサージを受けて)ました。すごくおっぱい出ますものね。

けど、とっても厳しすぎて、半分くらいは途中でやめてました。私も途中でやめました。けどみんな元気に育ちましたよ~。発祥の地の人でもやめちゃうんですから。お母さんが辛いなら、辞めてもいいと思いますよ。もう疲れたでしょう。頑張りましたね。」

もしかしたら、ちょっと盛った話なのかもしれません。けれど私には、あぁ許してもらえたんだと、ほっとした瞬間でした。ちょうど検診もクリアしていたので、今のタイミングなら、やめても子どもは大丈夫と確信をもてました。

そして参院での看護師さんの言葉を思い出しました。「方針が2つあって、みんな元気に育っているということはどちらも正解」。気持ちの整理がつき、桶谷式で、断乳をすることができました。痛みはありましたが、トラブルなく、スムーズに断乳できたのは桶谷式の先生のおかげです。

桶谷式の先生への伝え方

やめる決心をしたので、断乳させてください、とはっきり伝えました。

私「仕事を再開することにしたので、断乳させてください(本当は復帰はもう少し先)」
先生「ちょっとトイレで絞れば大丈夫よ。ここまで続けたんだから頑張りましょう」

励ましてくれました。今までの私なら、ここで決心が揺らいでいました。続けたい人にとっては前向きなアドバイスです。限界になった自分には、追い詰められるだけだから気持ちをハッキリと伝えないとと勇気をだして伝えました。

私「絞る時間も場所も、どうしても環境的に無理なんです。沢山悩みましたが夫婦で話し合って決心したので、お願いします」
先生「わかりました。やめたら離乳食ももっと食べてくれるかもしれないしね♪」

やめたくてもやめられなかった理由

やめたい意思をハッキリ伝えなかった

桶谷式に通うたび、先生に、つらくてしんどいという気持ちのみを話していました。心が折れかかっている私をみて、先生はとても励ましとアドバイスをくださいました。

やめたいと伝えていないのですから、母乳育児をしたくて通っている姿勢に先生には見えたはずです。母乳育児が辛い人をサポートするのが桶谷式の先生がたです。体だけでなく、心もサポートしてくださっていました。なので先生は何も悪くありません。悪いのは、ハッキリ口と態度にださない私でした。

今度こそやめようと思いつつ、先生にとてもよくして下さると、もう少し頑張ってみよう..?と心がわからなくなっていました。

事実、ハッキリとやめる意思を伝えれば、しっかりと断乳をサポートしてくださいました。

桶谷式を途中でやめた人の話を聞ける機会が少ないから

他に出かけることもほとんどなかったので、週1回出かける桶谷式のマッサージが外出のほとんどでした。近い年齢の赤ちゃんのママと話せる機会がなかったのです。

私がかよった子育て支援センターに限りますが、桶谷式を知っていたスタッフさんは4割くらいの感覚でした。さらに「桶谷式という名前と、とても大変と聞いたことはある」方がほどんどでした。

通うのをやめたら悪化するという恐れ

自分の体も大切、という目線が完全に欠けていました。私のように、行くたびにつまり、解消、をくりかえしていたら、いきなり通うのをやめたら、もちろん悪化します。自分の体のためにミルクに切り替える覚悟に向き合えばよかったです。

桶谷式を理解して、さらに納得

こちらをご覧ください。

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。

桶谷式とは – 公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会

母乳を出すしか赤ちゃんを救う方法がなかったから、食事制限や授乳頻度が厳しいんですね。今は、ほかの方法がたくさんある。なら、お母さんが一番苦しむ方法を選ぶ理由なんてないです。実はこの記事をかくために下調べをして初めて知りました。続けてこう書かれています。

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。

桶谷式とは – 公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会


ちゃんと、お母さんの体調や心身についても書かれてあります。私は「赤ちゃんのこと」しか考えていませんでした。

ここからわかるように、桶谷式は、母乳育児そのものが辛い私のような人には向いていません。たとえおっぱいのトラブルは多くても、母乳育児が楽しいと思える人にはとても相性がよく、そんなママさんたちのための技術なんですね。あらためて、とても素晴らしい技術なんだと理解ができました。

桶谷式をやめるのは普通のこと

まずは「やめてもいいんだ」と思ってください。そうすれば、自分も周りも、そのように変わっていきますから。赤ちゃんを大切に思う気持ちまで忘れないように…そして自分の体と心にも目を向けて、大切にしてあげてください。心から、応援しています。

ABOUT ME
はりみ
はりみ
HSP×自閉症傾向ありかける自己肯定感の低い、アラフォーママ
HSP(非HSS型HSP)で自己肯定感が低く完璧主義な性格で、自閉症スペクトラムの傾向があります。適応障害と強迫性障害を経験したアラフォーママ(元ワーママ)です。

中学時代に自分が大嫌いになり、あらゆる挫折を経験してきました。ありのままの自分に誇りをもつのが目標です。

考え方や環境などを少しずつ変えて楽になった経験から、生きづらさやストレスを減らすための工夫やヒントを中心にお伝えします。
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