HSPはわかってもらえない?非HSPの兄弟と夫に説明してみた
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HSPなことを、わかってもらえなくて悲しい…。
ずっと理解されないまま、辛いままなんだろうか。
どうすればわかってもらえるんだろう。
自分に何かできることはあるのかな?
そんな悩みのあるHSPさんに、お話しします。
この記事は、非HSPの2人に、HSPの気質の説明と、私がHSPだと打ち明けた体験談です。記事公開時点で、打ち明けて約1年がたっています。
結論から言いますと、HSPの感覚は理解してもらえませんでした。しかし、大変さを信じてくれるようになり、協力を得られるようになりました。
結果はこうでした。
- 兄弟:生きていく上での大変さに耳を傾けてくれるようになった
- 夫:暮らしの中の騒音対策に協力してくれるようになった
- 2人共通:HSPの感覚は1年たっても「全然わからない」まま
耳を傾けてもらえたり、協力を得られるようになるまで、だいたい3ヵ月~半年くらいかかりました。はじめは全くわかってもらえず、話していてもすれ違いの状態でした。
その経過などをお話しします。
そしてこの結果から学んだのは、「他人に、理解や協力を求めるのはかなり厳しい」ということです。
学びからどのように行動しているかも合わせてお話ししますね。
兄弟と夫にHSPを打ち明けた結果
- 感覚は理解されなかった
- 大変さに耳を傾けてくれるようになった
- 協力を得られるようになった
- 他人に理解や協力を求めるのはかなり厳しいと感じた
- それでも出来ることはある
相手が私の兄弟・夫なので、とことん話を聞くことができました。人の感覚はこうも違うのかと思わされるばかりでした。
兄弟:生きていく上での大変さに耳を傾けてくれるようになった ~HSPはわかってもらえない?~
私の兄弟はこんな性格です。
- 明るいが穏やか
- 心根がとても優しい
- 周りの人の気持ちを考えられる
- 周りから愛されるキャラクター
- 押しの強い相手が苦手
- 相手に共感できる
- 非HSP
HSPにも当てはまる性格が多いので、ひょっとしたら兄弟もHSPかと思ったのですが、全く違いました。不思議ですね。
私の兄弟には、小学校低学年の息子=私にとっての甥がいます。甥が小さいころから、「子どもの考えていることや感覚がよくわからない」と悩んでいました。「優しく伝えているつもりなのになぜか大泣きされたり、不安がられたりするし、けんかになる」というのです。
後になってわかるのですが、甥はHSCでした。(HSPの子どものこと。P=パーソン、C=チャイルドの略)
甥が0歳のころから、なぜか私には、甥の気持ちが手に取るようにわかったのです。
子どもにこう言っただけなのに、すごく不安がって泣いてしまった…
私だったら、それは傷ついたかなぁ。○○だと想像してしまうかも。
そんなつもり、まったくないのに!はりみだったら、どう言われたらいいの?
うーん、△△△のように言われたら、すんなり受け入れるよ
そう感じる人もいるのか。次はそういってみようかな。
~後日~
やってみたら、泣かずにすんなり受け入れてた!
前にもこんなことがあったよね。どうしてはりみは、いつも甥の気持ちがわかるの?すごく不思議。
わかるというか…みんなそんなものだと思ってたから、逆にどうしてわからないのか私も不思議だよ。
こんなやりとりが頻繁にありました。
そんな中、私が自分をHSPだと理解しました。そして兄弟の話を何度も聞くうちに「ねえ、もしかしたら甥もHSPかも?」それから色々あり、甥はHSCだと分かったのです。
兄弟はHSCの本を読んで「やっと甥と私の行動が理解できた!」と電話してきました「HSPの感覚には共感できないし、よくわからない…。けど、どうして不安がったりイライラするのかの原因はよくわかった」そう言っていました。
それからこんな会話が増えました。
こう思うだけでいいんじゃないの?どうしてそんなに深読みするの?
深読みというか、瞬時にそこまで思考が広がってるんだよね
他にもこんな会話です。
もしも、親にこう言われたらどう思う?
後ろにこの一言がついていれば、安心するよ。ついてなかったら悲しく感じてしまうかも…
お互いに「この感覚の違いは何?」と思いながら、会うたびに話をしていました。兄弟が言うには、HSPの感覚は本当にわからないんだそうです。決して、HSPの感覚をバカにしているわけでも、下に見ているわけでも、あきれているわけでもありません。
私の兄弟は、自分の子どものために、学んで接し方を工夫をしたり、なんとか理解しようと頑張っています。その姿を見ていると、「自分なら赤の他人にここまでできるだろうか…?」と感じました。相手がとても大切なひとでなければ、私なら根をあげているかもしれないと感じた1年でした。
夫:暮らしの中の騒音対策に協力してくれるようになった ~HSPはわかってもらえない?~
私の夫はこんな性格です。
- 穏やかで、常に冷静
- 心根がとても優しい
- 末っ子気質で愛嬌がある
- 急な出来事や音に驚かない
- 痛みに強い
- 押しの強い相手でも物怖じしない
- 人見知りしない
- 人は人、自分は自分だと悟っている
- 非HSP
HSPさんとは正反対の気質をいくつか持っています。HSPにはない強さのある人です。
結婚前から、お互いの性格の違いは認識していました。違いの中に、私にはない魅力を感じ、結婚しました。
例えばこんなことがありました。ある店員さんの対応が、押しが強いうえに不親切で、私はとても怖くなっていました。夫は何もいわずに平然としていました。そのうちこちらが不利益をこうむりそうになると、夫が毅然とした態度で話しあってくれたのです。その結果、店員さんも態度を改めてくれて、トラブルなくその場を離れることができました。
しかし一緒に暮らしていると、その違いがストレスになることも多くあります。
私が参ってしまうほど苦手なことが、夫は何とも思っていない、ということが多かったのです。
- 騒音が苦手だから、夫のテレビとスマホゲームのどちらも大音量はやめてほしい
- 家がごちゃついているとイライラしてしまうから、少し片づけてほしい
- 香りの強い石鹸をもらってくるので、次からは遠慮してほしい
- 眩しいからカーテンを閉めたい
など色々とお願いをしましたが、夫は「自分はこれが良いのにな」という感覚だったそうで、すれ違いが続きました。たとえ私のお願いを聞いてくれたとしても、お互いにあまり良い思いをしませんでした。
そして、何度話しても同じことの繰り返しが起こっていました。
あるとき私が、自分がHSPだと分かりました。HSPの提唱者であるエレイン・アーロンが作ったHSPセルフテストで、27点中25点。
テストをしていると「あれ?私はほぼ当てはまるけれど、夫はあてはまるものが少なそう」。そして試しに夫にやってもらうと5点ほどでした。
そこで、HSPという気質があることを夫に話したのです。
伝えたこと
- 芸能人にもいること
- 5人に1人いること
- 私の点数
- これまでのすれ違いの原因がここにあるのかもしれない
HSPだと公表している有名人には、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん、要潤さんなど、何人もいらっしゃいます。
どうかな?HSPや私の感覚って、このセルフチェックそのものなんだけど…。
ぜんぜん理解できない…。僕にはその感覚はないな。でも実際にそういう人がいるんだね
それから、特に「苦手な音」について主人に具体的に伝えるようにしました。
ドライヤーの音、玄関ドアを激しく閉める音(構造上、するんですよね…)、テレビの音量、スマホゲームの音量、とつぜんの大きなクシャミなどなどです。
すると次第に、スマホゲームはイヤホンを付けてくれるようになり、ドライヤーをするときは扉を閉めてくれるなど、協力してくれるようになったのです。
「くしゃみは突然だからむり!」と言われました。それでも、出そうなときに目の前に座っていたら手をあげてくれたり、続けて出るときは「もういっちょ」と言ってくれたりします。笑
2人共通:HSPの感覚は1年たっても「全然わからない」まま ~HSPはわかってもらえない?~
生活の中で「こういう時、こう感じるんだけど、同じように感じることない?」と2人にたずねることがあります。
答えはいつも「そんな風には思わないよ」「わからない…」「そこまで考えるの?」という答えです。
とても不思議そうに返事が返ってきます。兄弟はキョトンとするように、夫はイミがわからない…と固まっています。ちょっと、面白いです。
打ち明けてよかったこと ~HSPはわかってもらえない?~
否定せず聞いてくれる相手ができた(兄弟)
否定せず聞いてくれる相手がいると、とても救われます。
あ!スタバだ。最近いってないな。はりみは、こういうところで一人の時間を過ごすのはどうなの?
なんだか緊張するんだよね。このあいだ、久しぶりにこの店に来たよ。端の席に座ったんだけど、緊張しっぱなしで落ち着かなかったの。
そうなの?一人で好きなコーヒーを飲んで、そんなに店内もうるさすぎないし、ゆっくりリラックスして過ごせるんじゃないの?
そこは良かったんだけど、私には合わないみたい。席が近いからか、他の人の存在がすごく気になるんだよね。あと、大通りに面したガラス張りだから、通行人の視線も気になっちゃって…
そうなんだね。じゃあ公園とかがいいのかな?そういえば仕事の昼休憩によく使ってたって言ってたよね?
誰もいないと気持ちがいいよ。ほかの人がいるときは緊張しちゃうかな。犬を散歩に連れてきたおじさんが、向かいのベンチに腰掛けたりすると、別のところへ行きたくなっちゃう。
えー!そうなんだねー。なかなか大変なんだね。
私はこうやって話せる相手ができたのですが、そうでなければ、HSPのコミュニティサイトを覗いてみるのもいいですね。
「相手がHSPの感覚を理解できない」ことを理解できた
「相手がHSPの感覚を理解できない」と知れたことで、生きていくうえで無駄に他人との軋轢をうまずに済むようになりました。
はじめは、「わかろうとしてくれていない?わかってくれない…?」とちょっぴり疑心暗鬼になってしまいました。けれど兄弟・夫の性格をよく知っていたので、どうやらそうではないのだな…と。
説明をして打ち明けたときの返事「わからない」は、否定の意味ではなかったのです。
非HSPさんには、HSPの感覚を「本当に理解できない、わからない」が答えでした。
打ち明けてみて、わかったこと ~HSPはわかってもらえない?~
他人に、理解や協力を求めるのはかなり厳しい
そもそも合う人を探す方が簡単だし、合わない相手とは離れるほうが楽です。
私の場合、もともと仲のよい兄弟や夫なので、関係をぎくしゃくさせることなく時間もかけられました。
先ほども書きましたが、兄弟は、自分の子どものためにもHSP(HSC)を理解しようと努力しています。
夫とは、夫婦としてこれから一生共に生きていく相手として、これまで何度も話し合いを重ねてきた過去があります。
そんな背景があったからこそ、信じてくれたり、協力してくれたりするようになったのかと。
そんな2人でさえ、HSPの感覚については全くわからないといいます。
たとえ私が逆の立場で、相手がまったくの他人だったら、ここまで時間をかけて理解する努力ができるだろうか…そう思うほどの道のりだったのです。
この経験から、他人に理解や協力を求めるのはなかなか厳しいことだと悟りました。
よほどのことがない限り、他人にはHSPだとカミングアウトしないと決めた
- 理解してもらえない・拒否される悲しみを感じたくないため
- 相手に気を使わせてしまうのを避けるため
兄弟と夫には信頼関係が気づけていましたが、そうでない他人に打ち明けて理解されなかったり拒否されたら、私はきっととても傷つくからです。人は人、私は私、と割り切れればいいんでしょうけれどね。
残念ですが、HSPと聞いただけで、面倒だなと思っている人も一定数いると想像できます。本当にHSPなのかな?という人から「私はHSPだから配慮して!」と強くせまられて困っている、という話を知恵袋でも見かけるからです。
「HSP」は、もともと1990年代にアメリカの臨床心理学者エレイン・アーロンによって提唱されました。それからまだ30年ほどしかたっておらず、正しい理解が広がっていない現実が見えてきますね。
HSP相手にはこうやって接しましょう、という考え方も、まだまだ広がっていないのが現実です。
いまだでも心のことは「気持ちの問題」「頑張ればなんとかなる」という根性論を大切にしている人もいるくらいですから。
私の会社がそうでした。適応障害になりはじめの頃、会社の産業医に「気にしすぎだから、気持ちの問題だと思ってみたら」と言われたのがいまだにショックです。
もしもカミングアウトするときがくるとすれば、「相手との関りを一生つづけていきたいけれど、カミングアウトで壊れるかもしれない」というきわどい局面になりそうです。
他人に、理解や協力を求めるのはかなり厳しい。ではどうすればいい? ~HSPはわかってもらえない?~
合わない相手とは離れるのが基本だけれど、HSPってそもそも5人に1人の割合で多数派じゃないから、離れるしか選択肢がないのはつらいですよね。とくに仕事など…。
私が見つけて実践している、「離れる前にできること」は、次のようなことです。
- 自分自身の理解を深める
- 何をしてほしいかを具体的にお願いする
- 配慮はあくまでお願いにとどめる
- 伝える五感は1つに絞る
- グッズやサービスを頼る
自分自身の理解を深める
理由は2つあります。
- 自分自身で解決できることもあるため
- 相手にとっても聞き入れやすい配慮の方法を見つけやすくするため
何が苦手でできなくて、何ができるのか。特に自分がストレスを感じた時には「何が原因なのか」「自分一人でできる対策はあるのか」を考えるようにしています。
先ほどの夫のくしゃみの話です。
はじめは思い切って、夫に「くしゃみが大きすぎて怖いからやめてほしい」と伝えました。しかし生理現象だし突然だからどうにもできないとの答えでした。
私が嫌だったのは、大きな音と、突然なことです。そして出来ることは、くしゃみをするまえに耳をふさぐこと。それを伝えたら、出そうなときに目の前に座っていたら手をあげてくれたり、続けて出るときに「もういっちょ」と言ってくれるようになりました。笑
くしゃみから受けるストレスがまったくなくなったわけではありませんが、確実に減らすことができました。
何をしてほしいかを具体的にお願いする
「こんなことが苦手だから、こうしてほしい」のように、「こうしてほしい」まで具体的に伝えます。
「HSPだから配慮してほしい」と伝えるだけでは、相手もとまどうばかりです。
なるべく、相手ばかりが面倒にならない方法を探って伝えましょう。
配慮はあくまでお願いにとどめる
現実的すぎてキツイ話かもしれませんが…。
「HSPだから配慮して=理解して私に合わせて」「HSPと打ち明けたら、みんなから配慮してもらえる」こう考えてしまわないことです。
そもそも感じかたは人それぞれですし、「あれもこれも配慮してほしい」というのは無理があるからです。
配慮してもらえなければ、自分でできる限りの工夫や、ちょっとした努力をするのも必要です。
今の時代、「ありのままの自分」でいられる素晴らしさが受け入れられる世の中ですが、そのために「周りすべてをコントロールして自分に合わせてもらう」ばかりでは上手くいきませんよね。
まだまだ生きづらい世の中ではありますが、HSPであることを盾にして、周りと対立するのは悲しいことだと思いませんか。
伝える五感は1つに絞る
あれもこれも全部だめ!というと大変なので、「音」「匂い」など、ひとつに絞って伝え続けるのがいいです。
職場や友達など、まわりにこんな人はいませんか?
- 寒いのが苦手な人
- 高い音が苦手な人
- 香水の香りが苦手な人
- つわりで食べ物のにおいが辛い人
HSPという概念より、ぐっと具体的に想像できたと思います。それをジャンル丸ごと伝えるイメージで、
- 大きな音が苦手
- 強い匂いが苦手
- すごくびっくりしやすい
のように、1つに絞って周りに伝え続けると、わかってもらいやすいですよ。
私も夫に、「とにかく大きな音が突然するのがだめ」と伝え続けて、協力を得られるようになりました。
グッズやサービスを頼る
生活音の大きさを軽減するため、ノイキャンイヤホンを手に入れました。とても快適です。夫は運転時に大きめの音で音楽を聴くのが好き(安全運転の範囲です)ですが、わたしは苦手なので、そういったときにも使います。
私だけ家の中が寒すぎると感じるので、着る毛布を手に入れました。
マルチタスクが苦手なので、ボタンを押したら完成まで目を離すことができる調理家電、電気圧力鍋を使っています。
まとめ
非HSPの2人に、HSPの気質の説明と、私がHSPだと打ち明けた体験談でした。
なかなかに厳しい結果になりましたが、私たちHSPができることは、これからも自分自身の理解を深めながら、ちょっとした努力や工夫を続けていくことだと理解しました。
なかなか生きづらい世界ではありますが、このブログはそういった人に向けての発信をしていますので、ぜひ他の記事も参考にしてみてくださいね。